2019 教授要綱 2年
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-88-6口腔解剖学実習・ナンバリングOBS-2-05・実務家教員や実務家による授業・担当教員  ◎:実務家教員滝川俊也、河野芳朗、杉山明子・授業概要口腔解剖学実習は「歯型彫刻実習」と「口腔組織・発生学実習」の2つに大別される。歯の基本的形態と特徴を理解して歯の形態を3次元的に表現する知識と技能の修得は将来、歯科医師としての臨床能力に直結するため、歯学教育において「歯型彫刻実習」はきわめて重要な基礎実習である。「歯型彫刻実習」では毎回、実習課題歯種(全8歯種)を実習時間内に必ず自分の手で彫刻して完成させて、作品として提出しなければならない。「歯型彫刻実習」においては携帯電話による出席登録だけでなく、毎回の実習終了時の課題作品の提出によって正規の出席として取り扱い、提出作品の採点により実習成績を評価する。不合格作品については課題作品の再作成と再提出によって再評価を行うが、課題作品の未提出(再作成および再提出の指示に従わない場合を含む)は実習不合格となることに十分留意する。 また、「歯型彫刻実習」終了の翌週(6月21日)から開始する「口腔組織・発生学実習」では顕微鏡で観察される歯と歯周組織を含む口腔諸組織の微細な組織構造を理解するために視覚素材(おもに組織写真)を用いた演習試験形式の実習を行う。口腔組織・発生学実習の成績は5回の実習試験および2回の実習総合試験(視覚素材を用いた多肢選択問題形式)により評価する。・到達目標「歯型彫刻実習」では、3次元的に歯の形態を表現する知識と技能を修得することを学修到達目標とする。「口腔組織・発生学実習」では、視覚素材(組織写真および模式図)を使ったCBTおよび歯科医師国家試験レベルの問題に対応できる知識を培うことを学修到達目標とする。・教育手法「歯型彫刻実習」では、それぞれの歯種を代表する課題歯種(8歯種)について、ワックスブロックを自分の手で彫刻することによって、座学では得ることができない「歯の3次元的な形態の知識」と「歯の形態を3次元的に表現する基本的技能」を修得する。「口腔組織・発生学実習」では、最近の歯科医師国家試験およびCBTでは顕微鏡写真や図を使った問題が年々増加し、さらに電子顕微鏡写真まで出題されるようになってきた状況を鑑みて、従来の光学顕微鏡を使った口腔組織学実習だけでは今後の国家試験問題に対応できる知識の修得は難しいことから、朝日大学所蔵の組織標本をデジタルアーカイブス化してバーチャルスライドとして活用するほか、関連する発生学の内容も含めた多種多様な組織写真(電子顕微鏡写真を含む)や図を用いた総合演習形式の形成的評価試験(口腔組織・発生学実習試験5回)で実際に視覚素材を観察し、問題形式でメタ認知(自分で「知識の空白部分」を認識すること)を促して、試験直後に「知識の空白部分」を埋めるための解説講義を徹底的に繰り返して実施し、口腔領域の諸組織の微細構造に対する理解を効果的に高める教育手法を導入している。・教科書『歯の解剖学』(金原出版)、歯型彫刻実習マニュアル(配布)・参考書『最新歯型彫刻 第2版 理論と実際』(医歯薬出版)、e -ラーニング資料(moodle)・オフィスアワー月曜日〜金曜日 16:30〜18:30、1号館3階 滝川教授室(滝川俊也教授)、1号館4階 口腔解剖学研究室(河野芳朗講師、杉山明子助教)・評価方法歯型彫刻実習の成績評価(50%) ⇒ 提出作品(全8歯種)の採点(30%)および歯の形態の記述式試験の成績(20%)ただし、口腔解剖学実習終了日(7月26日)までにすべての歯型彫刻作品(8歯種)の合格と提出が完了していない場合、不合格作品の再提出の指示に従わない場合、および実習の欠席はすべて実習不合格とする。口腔組織・発生学実習の成績評価(50%) ⇒ 実習総合試験(2回)90%、実習試験(5回)10%ただし、口腔組織・発生学実習の欠席は実習不合格とする。・フィードバック方法「歯型彫刻実習」で提出された課題作品について、合格作品はルーブリック評価(多面的多段階評価による総合評価)によって採点し、8歯種の課題を総合的に評価してフィードバックする。不合格作品については、課題作品チェック表の不合格項目にチェックを入れて提出の翌週実習日に作品とともに返却して、修正または再彫刻の指導を行う。「口腔組織・発生学実習」で毎週実施する口腔組織・発生学実習試験は知識の形成と定着を目的とした形成的評価試験であるため、試験成績は我々が開発したICT教育支援ツール(モバイル採点システム)を使って試験終了後、迅速に試験結果をフィードバックし、試験直後に実施する解説講義で正答率と識別指数を参考にして、理解度が低い問題を供覧しながら、組織像の観察すべきポイント(各種細胞・組織がもつ固有の特徴など)を強調して知識の空白を埋めていく学修を繰り返して行う。

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