教授要綱3年
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-83-13全部床義歯学・授業概要歯科補綴学は、歯・口腔・顎、その関連組織の先天性欠如・後天的欠損・喪失や異常を人工装置を用いて修復し、喪失した形態または障害された機能を回復するとともに、継発疾病の予防をはかるために必要な理論と技術を考究する学問である。有床義歯学は歯科補綴学の中で、歯や歯列の欠損を有床義歯で補うことによって失われた機能を回復し、また審美的な回復・改善に寄与することはが主目的の1つである。そのために、まず歯および顎骨の実質欠損により咀嚼系(顎口腔系)に生じる形態的ならびに機能的変化を理解し、さらに、補綴装置装着による治療効果を知ることが必要である。しかし、回復・改善という目的に沿って精巧な加工技術を伴うため、ややもすれば補綴を機械的に考えすぎる場合が多いが、生物学的・生理学的な視点からもとらえておかなければならない。われわれはまず、“歯の一部および全部の欠損を放置しておくと、残存歯をはじめとして、歯周組織、顎関節、神経筋系などの咀嚼系全体にどのような不快な症状や疾患などの問題が発生するか”という最も重要な点を考えなければならない。そうすれば、有床義歯の主目的として、歯の喪失に継発する不快な症状や疾患を予防し、歯を含む残存口腔諸組織を保持して、健康維持に寄与することが最重点であることが容易に理解できる。有床義歯による治療は、医療の一翼を担う歯科医療の一分野としての歯科補綴学に含まれ、医療を取り巻く社会構造の変化の影響を無視しては成り立ち得ない。治療を円滑に進めるためには、患者の尊厳あるいはインフォームドコンセントなど、医療に対する社会の要求とその背景を理解し、良好な医師と患者の関係を築くことが肝要である。急激な高齢化社会を向え高齢者に治療に関する知識とスキルの習得も目的とする。 その修学のために2ユニットを設定している。・ユニット1:全部床義歯治療の基礎的知識と製作法Ⅰ(1回から16回まで)・ユニット2:全部床義歯治療の製作法、機能能回復及び知識の確認(CBTおよび国家試験対応能力)(17回から30回)・教科書『補綴臨床に必要な顎口腔の基礎知識』、『無歯顎補綴治療学 3版』・参考書『コンプリートデンチャークリニック』、『歯学生のための摂食・嚥下リハビリテーション学』・オフィスアワー藤原 火曜日 13時00~18時00 水曜日 13時00~18時00 木曜日 13時00~18時00 藤原教授室、山村 月曜日~金曜日 17:00~19:00 研究室、羽田 月曜日~金曜日 16:00~19:00 研究室、大森 月曜日~木曜日 16:00~19:00 研究室、古田 水曜日 16:00~19:00 木曜日 16:00~19:00 研究室、小嶋 火曜日 13時00~18時00 水曜日 13時00~18時00 木曜日 13時00~18時00 研究室、服部 火曜日 13時00~18時00 水曜日 13時00~18時00 木曜日 13時00~18時00 研究室、・評価方法試験の成績 50%、平常の成績 50%  平常点の評価方法 ⇨ 確認テスト50%、小テスト50%13-1 ユニット:全部床義歯治療の基礎的知識と製作法Ⅰ回 数担当者学習目標(GIO)行動目標(SBOs)予習項目モデル・コア・カリキュラム第1回4月3日(火)1時限藤原全部床義歯による口腔機能回復のために、その製作の手順について理解する。①前処置について説明できる。②印象採得について説明できる。③顎間関係の記録について説明できる。④ろう義歯試適について説明できる。⑤装着について説明できる。⑥個人トレーの製作について説明できる。⑦作業用模型の製作について説明できる。⑧咬合器の装着・調整について説明できる。⑨人工歯の選択・削合について説明できる。⑩歯肉形成について説明できる。⑪埋没、重合について説明できる。⑫咬合調整(削合)と仕上げについて説明できる。教科書:第2章~第12章の目次をとその内容を確認すること、参考書E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑥E-3-4)-(2)-⑦E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑧E-3-4)-(2)-⑨E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑫E-3-4)-(2)-⑬第2回4月3日(火)2時限山村全部床義歯による口腔機能回復のために、その製作の手順について理解する。①前処置について説明できる。教科書:p86~p92E-3-4)-(2)-⑫第3回4月10日(火)1時限山村無歯顎患者の印象採得をおこなうために、印象域、印象材、印象術式、模型の製作およびその調整法について理解する。①上顎・下顎の印象域を説明できる。②概形印象・精密印象に用いる印象材を列挙できる。③無歯顎患者の印象採得の特徴を説明できる。④上顎・下顎の辺縁形成に有効な口腔の機能運動とそれに係わる筋を説明できる。教科書:p93~p125E-3-4)-(2)-⑥

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