教授要綱2年
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-69-口腔解剖学実習6・授業概要口腔解剖学実習は歯型彫刻実習と口腔組織・発生学実習の2つに大別される。歯の基本的形態と特徴を理解して歯の形態を3次元的に表現する技能の修得は将来、歯科医師としての臨床能力に直結するため、歯学教育において歯型彫刻実習はきわめて重要な基礎実習である。歯型彫刻実習では毎回、課題とする歯種を実習時間内に彫刻し、完成させて、作品として提出する(課題は8歯種)。本実習の一般目標および行動目標への到達を目的として、歯型彫刻実習においては携帯電話による出席登録だけでなく、毎回の実習終了時の課題作品の提出によって正規の出席として取り扱い、提出作品の採点により実習成績を評価する。不合格作品については課題作品の再作成と再提出によって再評価を行うが、課題作品の未提出(再作成および再提出の指示に従わない場合を含む)は実習不合格となることに十分留意する。また、6月15日から開始する口腔組織・発生学実習では顕微鏡で観察される歯と歯周組織を含む口腔領域の微細な組織構造を理解するために視覚素材(おもに組織写真)を用いた演習形式の実習を行う。最近の歯科医師国家試験およびCBTでは視覚素材(顕微鏡写真)を使った問題が年々増加し、さらに電子顕微鏡写真まで出題されるようになっているため、従来の光学顕微鏡を使った口腔組織学実習だけでは今後の国家試験問題に対応できる知識の習得は難しいため、朝日大学所蔵の組織標本をデジタルアーカイブス化してバーチャルスライドとして活用するほか、実習教科書(カラーアトラス口腔組織発生学第4版)に掲載されている多種多様な組織写真(電子顕微鏡写真を含む)を試験形式で徹底的に観察して思考することにより、口腔領域の組織構造に対する理解を深めて、視覚素材を使ったCBTおよび歯科医師国家試験に対応できる知識を培うことを学習到達目標とする。その学習目標への到達のため、実習は試験形式(視覚素材を用いた多肢選択問題60問)で行い、試験後の解説講義を組み合わせて5回繰り返して行った後、実習総合試験を2回行う。口腔組織・発生学実習の成績評価は5回の実習試験(総合点を平常点とする)および2回の実習総合試験(視覚素材を用いた多肢選択問題形式)により行う。 なお、すべての口腔解剖学実習について欠席は一切認めない。また、実習時間内に許可なく実習室を退室する者も欠席として取り扱うことに留意すること。・指定図書『歯の解剖学 第22版』(金原出版)、『カラーアトラス口腔組織発生学 第4版』(わかば出版)、『口腔組織・発生学 第2版』(医歯薬出版)、配布講義資料(口腔解剖学2018、発生学2018)、歯型彫刻実習マニュアル2018・参考図書最新歯型彫刻 第2版 理論と実際(医歯薬出版)、e -ラーニング資料(moodle)・オフィスアワー月曜日〜金曜日 16:30〜18:30、1号館3階 滝川教授室(滝川教授)、口腔解剖学研究室[1号館4階](河野講師、杉山助教)・成績評価歯型彫刻実習の成績評価(50%) ⇒ 提出作品(全8歯種)の採点により成績を評価する。すべての作品の合格と提出が完了していない場合、不合格作品の再提出の指示に従わない場合、および欠席は実習不合格とする。口腔組織・発生学実習の成績評価(50%) ⇒ 実習総合試験(2回)90%、実習試験(5回)10%、欠席は実習不合格とする。回 数担当者講義内容一般目標(GIO)行動目標(SBOs)モデル・コア・カリキュラム第1、2回4月10日(火)3、4時限滝川河野杉山第1回歯型彫刻実習切歯の基本的形態と特徴を理解して3次元的に表現する能力を習得する。□ 上顎切歯の基本的形態と特徴を3次元的に表現する能力を習得するために上顎中切歯の歯型彫刻を行い、以下の事項を3次元的に表現する。①切縁、歯冠・歯根の形態、側切歯、下顎切歯との相違点②近心、遠心、左右側の鑑別 (彎曲徴、隅角徴、歯根徴)③各隆線の名称、歯帯、辺縁隆線、基底結節、棘突起E-3-1)-②切歯の形態と特徴
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