-155-G 臨床実習 臨床実習の項目は附属病院、その他の医療現場において、実際に患者と接しながら、指導医の指導・監督の下に実施すべき内容である。 臨床実習では、総合的な診療能力の基本としての知識、技能及び態度を修得するために、個々について独立して行うのではなく臨床実習全体を通して体系的に行わなければならない。また法令を遵守し、社会制度や歯科医療関連法規に沿った診療を行うことを学ぶ。 学生が卒業時までの目標として基本的な診察や技能を修得し、歯科医学・医療の進歩と改善に資するために、臨床を通して研究意欲と基礎的素養を身に付け、卒業後に歯科医師としての資質・能力を涵養するには、できるだけ自験を行うことが必要である。G-1 診療の基本G-1-1)臨床診断・治療計画ねらい :一口腔単位の歯科治療を行うために患者情報の収集・分析、診断、治療計画、記録についての知識・技能及び態度を修得する。学修目標:①歯科・口腔疾患を正しく診断し、治療方針・治療計画の立案、予後の推測ができる。②診断並びに治療方針・治療計画を患者にわかりやすく説明できる。③主観的所見、客観的所見、評価、計画
による診療録及び指示書を作成できる。④患者の訴え、また指導医からの指摘事項も参考に、治療結果を適正に評価できる。G-1-2)医療安全・感染対策ねらい :歯科診療を実施するために必要な医療安全・感染対策についての知識、技能及び態度を修得する。学修目標:①医療安全対策(標準予防策、感染予防、医療機器の操作等を含む)を実践できる。②一次救命処置を実施できる。③薬剤耐性に配慮した適切な抗菌薬の処方ができる。G-2 基本的診察法ねらい :良好な患者-歯科医師関係を築き、全身状態の把握、診断及び歯科治療に必要な診察並びに検査を実施できる知識・技能及び態度を修得する。学修目標:①医療面接を実施し、患者と良好なコミュニケーションがとれる。②全身状態を評価し、顎顔面及び口腔内の診察ができる。③診断並びに治療に必要な画像検査及び臨床検査を選択し、実施できる。G-3 基本的臨床技能ねらい :歯科診療を実践するための基本的臨床手技を修得する。学修目標:①局所麻酔(表面麻酔・浸潤麻酔)を実施できる。②永久歯の単純抜歯を実施できる。③軟組織の小手術を実施できる。④う蝕その他の歯の硬組織疾患(象牙質知覚過敏症を含む)の保存修復治療ができる。⑤歯髄・根尖性歯周疾患の治療ができる。⑥歯周基本治療ができる。⑦歯質の欠損に対する歯冠補綴治療ができる。⑧歯の欠損に対する補綴治療ができる。⑨口腔衛生指導を実施できる。⑩歯科疾患を予防するための処置ができる。⑪小児に対する歯科予防処置を実施できる。⑫模型及び頭部エックス線規格写真等を分析、診断し、歯科矯正治療の計画を立案できる。G-4 チーム医療・地域医療ねらい :法令を遵守し、保健・医療・福祉・介護制度を理解し、チーム医療、地域医療、病診連携についての知識、技能及び態度を修得する。学修目標:①地域医療・地域保健(在宅医療(訪問歯科診療を含む)、地域包括ケアシステム)を経験する。②病診連携、病病連携を経験する。③多職種連携(歯科衛生士、歯科技工士、医師、薬剤師、看護師、その他の関連職種並びに介護職)によるチーム医療を経験する。