教授要綱1年(2018)
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-92-14歯科基礎生物学・授業概要地球上に存在する生命体、いわゆる“生き物”は動・植物、微生物などを含み、その種類は無限であると言っても過言ではなく、これらの生命体が織りなす生命現象は全て生物学の研究対象である。一方、医学、歯科医学における研究対象は、もっぱらヒトおよびヒトに関連の深い生物に絞られる。人体の構造と機能を効率的に学ぶために解剖学、生理学、生化学、病理学、免疫学等の専門分野が確立されているが、それらの知見は生物学から得られた知識を発展、深化させたものである。従って歯科医学を志す者にとって、生物学の基礎知識を習得することは各専門分野を学習するうえで不可欠の出発点である。本講義では生命の基本単位である細胞の構造と機能および、それらを支える遺伝子から説き起こし、次いで細胞の集合体である組織・器官の働きについて解説する。さらに、これらの知識に立脚し、ヒトが環境変化にいかに対応するのかを血液を含む体液、ホルモンおよび自律神経を中心として概説する。また有害な外来因子に対する積極的な防御反応である免疫の基礎についても言及する。このように本講義は高校時代に学習した知識を確認、発展させるのみならず、歯科医学の中心をなす疾病論を学ぶために不可欠な基礎的知識の習得を目的としたものである。・教科書『医療・看護系のための生物学』田村隆明 著(裳華房)・参考書『illustrated 基礎生命科学 第3版』竹島 浩 編集、竹島 浩、柿澤 昌 共著(京都廣川書店)『からだの構造と機能』A. シェフラー、S. シュミット 共著、三木明徳、井上貴央 監訳(西村書店)『改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス 生物図録』鈴木孝仁 監修(数研出版)・オフィスアワー佐藤(勝):火・木曜日 16時30分~18時00分 佐藤研究室(3号館2階)亀山:水・金曜日 16時30分~18時00分 亀山研究室(3号館2階)佐藤(和):月曜日 16時30分~18時00分、土曜日 9時00分~13時00分 解剖学研究室(1号館1階)・評価方法試験の成績 50%、平常の成績 50%、平常点の評価方法 ⇨ 中間試験(50%)、小テスト(50%)回 数担当者学習目標(GIO)行動目標(SBOs)予習項目モデル・コア・カリキュラム第1回Aクラス:4月10日(火)2時限Bクラス:4月10日(火)1時限佐藤(勝)生物を無生物と区別する特徴、真核細胞と原核細胞の違いなどについて理解する。1)生物を無生物と区別する特徴について説明できる。2)原核細胞と真核細胞の違いについて説明できる。3)生物の大まかな分類について説明できる。4)生命の誕生に関する仮説について説明できる。1章「生物学の基礎」p1〜10C-2-3)-①真核細胞の構造C-4-1)-①原核細胞の構造第2回Aクラス:4月11日(水)1時限Bクラス:4月11日(水)3時限佐藤(勝)真核細胞の基本構造、細胞膜の構造と働きについて理解する。1)真核細胞の基本構造について説明できる。2)細胞膜の基本構造と選択的透過性について説明できる。3)膜貫通型タンパク質(チャネル、ポンプ、受容体)の役割を説明できる。4)エンドサイトーシス、エクソサイトーシスについて説明できる。2章「細胞」p11〜15C-2-3)-①細胞膜の構造と機能C-2-3)-②細胞の分泌と吸収第3回Aクラス:4月17日(火)2時限Bクラス:4月17日(火)1時限亀山細胞小器官、細胞骨格、モータータンパク質の種類と働きについて理解する。1)細胞小器官(核、小胞体、ゴルジ体、リソソーム、ミトコンドリア)の役割について説明できる。2)リボソーム、中心体の役割について説明できる。3)細胞骨格の種類と役割について説明できる。4))細胞の運動におけるモータータンパク質の役割について説明できる。2章「細胞」p15〜21C-2-3)-①細胞小器官・細胞骨格の構造と機能
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