教授要綱2年(2017)
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-138-A 基本事項A-1 患者の尊厳一般目標:患者の権利を熟知し、その現状と問題点を理解する。到達目標:*①患者の権利を説明できる。*②患者の自己決定権を説明できる。*③患者が自己決定ができない場合の対応を説明できる。A-2 医の倫理一般目標:医療、歯科医療および医学・歯学研究における倫理の重要性を理解する。到達目標:*①医の倫理と生命倫理の歴史経過と諸問題を概説できる。*②医の倫理に関する規範・国際規範(ヒポクラテスの誓い、ジュネーブ宣言、ヘルシンキ宣言等)を概説できる。*③生と死に関わる倫理的問題を説明できる。A-3 歯科医師の責務一般目標:歯科医師の義務と責任に関する基本的な知識、態度および考え方を身につける。到達目標: ①患者との信頼関係を築くことができる。 ②個人的、社会的背景等が異なる患者に、わけへだてなく対応できる。 ③患者の価値観が多様であることを認識し、柔軟に対応できる。 ④患者に最も適した医療を説明できる。*⑤歯科医師の法的義務を列挙できる。A-4 インフォームドコンセント一般目標:患者本位の医療を実践するため、適切な説明を行った上で、患者の主体的な同意を得るために必要な対話能力と態度および考え方を身につける。到達目標:*①インフォームドコンセントの意義と重要性を説明できる。 ②必要な情報を整理し、わかりやすい口頭説明と文書を準備できる。 ③説明を行うために適切な時期・場所・機会に配慮できる。 ④説明を受ける患者の心理状態や理解度に配慮できる。 ⑤患者からの質問に適切に応え、その様々な反応に柔軟に対応できる。A-5 歯科医療における安全性への配慮と危機管理A-5-1)安全性の確保一般目標:医療上の事故(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)や医療関連感染症(院内感染を含む)等は日常的に起こる可能性があることを認識し、過去の事例に学び、事故を防止し、患者の安全確保を最優先することにより、信頼される医療を提供しなければならないことを理解する。到達目標:*①歯科医療における事故の特異性を説明できる。*②実際の医療には、多職種が多段階の医療業務内容に関与していることを具体的に説明できる。*③医療上の事故等を防止するには、個人の注意力はもとより組織的なリスク管理が重要であることを説明できる。*④医療現場における報告・連絡・相談および診療録記載の重要性について説明できる。*⑤医療の安全性に関する情報(薬剤等の副作用、薬害や医療過誤等の事例(経緯を含む)、やってはいけないこと、優れた取組事例等)を共有し、事後に役立てるための分析の重要性を説明できる。*⑥医療機関における医療安全管理体制の在り方(事故報告書、インシデントリポート、リスク管理者、事故防止委員会、事故調査委員会等)を概説できる。 ⑦医療の安全性確保のため、職種・段階に応じた能力向上の必要性を説明できる。*⑧医療関連感染症の原因および回避する方法を概説できる。A-5-2)医療上の事故等への対処と予防一般目標:実際に医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)が発生した場合の対処の仕方を身につける。到達目標:*①医療事故と医療過誤の違いを説明できる。*②医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)の事例の原因を分析し、防止対策を説明できる。*③医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)が発生した時の緊急処置や記録、報告について説明できる。*④医療過誤に関連して歯科医師に科せられた社会的責任と罰則規定(行政処分、民事責任、刑事責任、

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