教授要綱1年(2017)
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-97-15歯科基礎科学実習・授業概要自然科学の一分野である歯科医学においては単に知識を蓄えるだけでなく、必ずひとつの現象を実体験することによって、その結果にいたる過程を推察し、正しい結論を導き出し、さらにはそこから次の予測を行うという思考過程が不可欠である。このような理念に基づき、各種の歯科基礎科学実習(実験)を実施する。歯科基礎生物学関係においては、顕微鏡の操作法を学んだ後、ヒトの組織切片を各自で染色し、染色の意義を考えると同時に組織の構造をつぶさに観察する。次いでヒト血球などの標本の観察をおこなう。さらに血液型を実際に判定するとともに、その原理について学ぶ。また、生命現象の根幹をなす酵素を用い、その働きがさまざまな条件下でどのように変化するかを確認する。ヒトの皮膚や口腔、環境中にどの程度の数の微生物が付着、浮遊、生息しているのかを集落形成数から判定する。最終回では塩基配列の違いからアミノ酸の一次配列がどのように変化するかを決定し、遺伝情報とタンパク質合成に対する理解を深める。歯科基礎化学関係では、まず、実験器具類の使用法、各種試薬類の調製方法など初歩的な操作から学習していく。次に「中和滴定」の実習において酸-塩基の概念を、また「生体成分の定性反応」の実習において糖・タンパク質などの構造的特徴について学ぶ。なお、各実習に際しては、その実習項目に関連した講義、実習説明、および分子模型を用いた演習を行い、実習内容の理解を深めこととする。以上のような実習を通じて、講義で学んだ知識を確認し、これを深く印象に残すとともに、基本的な実験操作法を習得することを目的とする。・教科書『実習プリント』を配布・参考書歯科基礎生物関係:『illustrated 基礎生命科学 第2版』竹島 浩 編集、竹島 浩、柿澤 昌 共著(京都廣川書店)、『からだの構造と機能』A. シェフラー、S.シュミット 共著、三木明徳、井上貴央 監訳(西村書店)、『改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス 生物図録』鈴木孝仁 監修(数研出版)歯科基礎化学関係:『生命科学のための有機化学 有機・生化学 編』Molly M. Bloomfield 著 伊藤俊洋 他訳(丸善)、『実験を安全に行うために』化学同人編集部、『教養としての化学入門』 K. Waldron著、竹内敬人訳(化学同人)、『スタンダード歯科理工学第6版』中嶌 裕他編(学建書院)、『スタンダード衛生・公衆衛生第15版』安井利一他編(学建書院)、『スタンダード生化学・口腔生化学第3版』池尾 隆他編(学建書院)・オフィスアワー佐藤(勝):火・木曜日 16時30分~18時00分 佐藤研究室(3号館2階)亀山:水・金曜日 16時30分~18時00分 亀山研究室(3号館2階)佐藤(和):月曜日 16時30分~18時00分、土曜日 9時00分~13時00分 解剖学研究室(1号館1階)川木:月曜日~木曜日 16時30分~17時30分 口腔生化学分野研究室(1号館4階)・評価方法レポート(70%:スケッチを含む)、態度(30%)回 数担当者学習目標(GIO)行動目標(SBOs)予習項目モデル・コア・カリキュラム第1回9月4日(月)3, 4時限A クラス川 木神 谷亀 水化学実験の注意点を理解し、基本操作法を習得する。1)実験災害に対処する手順を身につける。2)器具の名称を列挙し、それを正しく使うことができる。3)器具をその用途に応じて適切に洗浄できる。4)次回の実習の実験計画を班単位で立案する。基礎固め 化学 2章 物質量と化学反応式 p.9~p.18 化学量A-2-1)-②自分に必要な課題を、重要性・必要性に照らして順位づけできる。A-2-1)-③課題を解決する具体的な方法を発見し、課題を解決できる。A-2-1)-④課題の解決に当たり、他の学習者や教員と協力してよりよい解決方法を見出すことができる。A-2-2)-①講義、国内外の教科書・論文、検索情報等の内容について、重要事項や問題点を抽出できる。
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