教授要綱1年(2017)
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-90-14歯科基礎生物学・授業概要地球上に存在する生命体、いわゆる“生き物”は動・植物、微生物などを含み、その種類は無限であると言っても過言ではなく、これらの生命体が織りなす生命現象は全て生物学の研究対象である。一方、医学、歯科医学における研究対象は、もっぱらヒトおよびヒトに関連の深い生物に絞られる。人体の構造と機能を効率的に学ぶために解剖学、生理学、生化学、病理学、免疫学等の専門分野が確立されているが、それらの知見は生物学から得られた知識を発展、深化させたものである。従って歯科医学を志す者にとって、生物学の基礎知識を習得することは各専門分野を学習するうえで不可欠の出発点である。本講義では生命の基本単位である細胞の構造と機能および、それらを支える遺伝子から説き起こし、次いで細胞の集合体である組織・器官の働きについて解説する。さらに、これらの知識に立脚し、ヒトが環境変化にいかに対応するのかを血液を含む体液、ホルモンおよび自律神経を中心として概説する。また有害な外来因子に対する積極的な防御反応である免疫の基礎についても言及する。このように本講義は高校時代に学習した知識を確認、発展させるのみならず、歯科医学の中心をなす疾病論を学ぶために不可欠な基礎的知識の習得を目的としたものである。・教科書『illustrated 基礎生命科学 第3版』竹島 浩 編集、竹島 浩、柿澤 昌 共著(京都廣川書店)・参考書『からだの構造と機能』A. シェフラー、S. シュミット 共著、三木明徳、井上貴央 監訳(西村書店)『改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス 生物図録』鈴木孝仁 監修(数研出版)・オフィスアワー佐藤(勝):火・木曜日 16時30分~18時00分 佐藤研究室(3号館2階)亀山:水・金曜日 16時30分~18時00分 亀山研究室(3号館2階)佐藤(和):月曜日 16時30分~18時00分、土曜日 9時00分~13時00分 解剖学研究室(1号館1階)・評価方法試験の成績 90%、平常の成績 10%、平常点の評価方法 ⇨ 中間試験(50%)、小テスト(50%)回 数担当者学習目標(GIO)行動目標(SBOs)予習項目モデル・コア・カリキュラム第1回Aクラス:4月11日(火)2時限Bクラス:4月11日(火)1時限佐藤(勝)生物の分類、原核細胞(生物)と真核細胞(生物)の相違点、および生物の生命現象に共通であるセントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク質)を習得し、生物全般について理解する。生物の種類とセントラルドグマを理解する。1)生命とは、生命の誕生について説明することができる。2)生物の分類とその特徴を列挙することができる。3)セントラルドグマを説明することができる。4)原核細胞(生物)と真核細胞(生物)の相違点について述べることができる。教科書:生命とは(p1~p2)生命の誕生(p2~p4)原核生物と真核生物(p4~p6)C-2-2)-③セントラルドグマC-2-3)-①細胞の構造と機能C-4-1)-①原核生物と真核生物第2回Aクラス:4月12日(水)1時限Bクラス:4月12日(水)3時限佐藤(和)ヒト(動物)を考えながら、真核細胞の細胞質基質、細胞小器官の種類と構造、働きについて理解する。1)細胞質基質の組成、働きについて説明することができる。2)核・ミトコンドリア・ゴルジ体・小胞体・リボソーム・リソソームなどの細胞小器官の構造的特徴と働きについて説明することができる。3)中心体の構造的特徴と働きについて説明することができる。教科書:細胞の基本構造(p7~p11)を予習、まとめC-2-3)-①核、細胞内小器官第3回Aクラス:4月18日(火)2時限Bクラス:4月18日(火)1時限佐藤(勝)生体膜の構造と透過性・生体膜間の融合(エンドサイトーシスとエキソサイトーシス)および細胞骨格を習得する。1)生体膜の構造を説明することができる。2)生体膜の透過性(半透性と選択的透過性、受動輸送と能動輸送)を説明することができる。3)受動輸送と能動輸送にかかわる膜タンパク質(チャネルとポンプ)の機能を述べることができる。4)生体膜の融合による細胞内外への物質輸送について述べることができる。 5)細胞骨格(微小管、中間径フィラメント、マイクロフィラメント)を列挙し、それぞれの働きを述べることができる。教科書:生体膜(p11~p15)細胞骨格(p15~p16)C-2-3)-①細胞膜、細胞骨骨格C-2-3)-②細胞の分泌と吸収
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