教授要綱1年(2017)
33/145
-33-1心理学・授業概要心理学は、大学に入って初めて勉強する分野です。しかし、大学に入るまで「心理学」という言葉を聞いたことがない人はほとんどいません。むしろ「心理学」という言葉を使ったことがない人はいないといってもよいほど、ポピュラーな言葉になっています。そのために、心理学の本来の「内容」と、勉強を始める前に受講生が持っている「理解」とが、多くの場合ズレています。このズレの原因は、心理学が「他者理解」の学問だというところにあります。この点を理解してもらってから、他者(患者、歯科衛生士、同僚、恋人、親などなど)を理解し、他者に理解してもらうにはどのようなことが必要かを考えていきます。その一助とするために、心理学の知識の一端を紹介していきます。・教科書なし(配布する資料に沿って授業を進めます。)・参考書講義時に適宜紹介・オフィスアワー・評価方法定期試験の成績が9割、平常点が1割の比率で評価します。平常点は出席と毎回提出してもらうコミュニケーションカードの内容によって評価します。回 数担当者学習目標(GIO)行動目標(SBOs)予習項目第1回4月7日(金)1時限大井修三本授業の範囲の紹介「心理学」に対する誤解「心」「心理学」に対する誤解を意識する。配布された資料の第1章を必ず読んで、疑問点を明らかにしてくること第2回4月14日(金)2時限大井修三心理学に対する「神話」と実像心理学の実像を理解する。「心」を研究するのは心理学だけではないことを理解する。「心」「心理学」に大いなる好奇心を持って受講すること第3回4月21日(金)2時限大井修三「心理学」における心は「他者の心」心理学の知識は他者理解の知識であることを理解する。(正しく自分理解に役立たせるには、自分を観察できなければいけない。)配布された資料の第2章を必ず読んで、疑問点を明らかにしてくること第4回4月28日(金)2時限大井修三他者理解のメカニズム「心」そのものは、永久にとらえられないことを理解する。「心」は、刺激と行動から推測されるもの、したがって相手の心は自分の中に出来上がることを理解する。前回の授業を復習し、身近な現象にあてはめてみること第5回5月12日(金)2時限大井修三相手の私の理解相手も、私を観察し、私の心を相手の中に作ろうとしていることを理解する。前回の授業を復習し、身近な現象にあてはめてみること第6回5月19日(金)2時限大井修三自己中心的な私1「物に色は付いていない。物は光を反射するだけである。色はその光を受け取ったものの意識で作られる。」(ニュートン)を理解する。配布された資料の第3章を必ず読んで、疑問点を明らかにしてくること第7回5月26日(金)2時限大井修三自己中心的な私2すべての現象は、自分の中に作り上げられて初めて理解可能となる。したがって、現象を自己中心的に成立させてしまうことを理解する前回の授業を復習し、身近な現象にあてはめてみること第8回6月9日(金)2時限大井修三個性:心理学の最大のテーマ1個性を決める要因:遺伝と環境心理学の大きな関心は、一人ひとりが違っていることにある。この違いを決めるのが遺伝と環境である。しかし遺伝だけ、環境だけで決まることはないことを理解する。配布された資料の第4章を必ず読んで、疑問点を明らかにしてくること
元のページ
../index.html#33