教授要綱 2年
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-37-・授業概要「組織・発生学」は発生学と組織学の内容に大きく分けられる。発生学では受精卵からヒトの初期発生、三胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)の発生、外胚葉性間葉(第4の胚葉)の発生、人体構造の形成、特に口腔・顎・顔面領域の主要な構造の正常発生および発生異常などを学ぶ。組織学では身体の細胞・組織・器官の正常な構造について顕微鏡レベルで学習し、人体の構造と機能の理解を深める。「組織・発生学」は人体の構造と機能を理解するうえできわめて重要な基礎医学であり、「解剖学」および「口腔解剖学」の講義と実習でさらに深い内容を学習する。・教科書『口腔組織・発生学』(医歯薬出版)、『組織学』(南山堂)、配布講義資料(発生学、組織学)・参考書『カラーアトラス組織・細胞学』(医歯薬出版)、『標準組織学』(医学書院)、『ネッター頭頸部・口腔顎顔面の臨床解剖学アトラス』(医歯薬出版)・オフィスアワー金曜日 16:30~18:30、1号館1F解剖学研究室、1号館3F滝川教授室・評価方法試験の成績90%、平常点の成績10%、平常点の評価方法 ⇨ レポート等の提出物および確認テスト(組織学)、確認テスト(発生学)回 数担当者学習目標(GIO)行動目標(SBOs)予習項目モデル・コア・カリキュラム第1回4月3日(木)4時限滝川組織・発生学概論発生学(1)1)受精卵〜胞胚期①ヒトの初期発生[受精卵(受精時)〜胚盤胞期(発生第1週)まで]を理解する。②受精卵の内細胞塊と胚性幹細胞(ES細胞)の自己複製能力と分化万能性を理解する。③「体細胞の初期化による多能性の獲得」を理解する。人体の構造と機能を理解するための基礎知識となる組織・発生学を概略できる。ヒトの初期発生[受精卵〜胞胚期まで]を説明できる。受精卵の胞胚期に生じる内細胞塊と内細胞塊から作成された胚性幹細胞(ES細胞)が持つ無限の自己複製能力と分化万能性を説明できる。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の特徴[由来、作製法、特徴(利点と欠点)、医療への応用(移植・再生医療、病態解明、医薬品開発)]を説明できる。「口腔組織・発生学」p13〜p14〃〃C-2-2)-①個体発生と器官発生第2回4月10日(木)3時限滝川発生学(2)1)2層性胚盤(発生第2週)〜3層性胚盤(発生第3週)の時期①2層性胚盤の時期と構造を理解する。②3層性胚盤の時期と三胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)の発生を理解する。2)胚子期(発生第3週〜第8週)-1①胚子期(胎芽期、器官形成期)の時期、胚子期に起こる形態形成と胚子期に開始する器官形成を理解する。②胚子のフォールディング(頭屈、尾屈、側屈)による形態変化を理解する。③外胚葉の分化(皮膚外胚葉と神経外胚葉)、神経外胚葉の分化(神経管と神経堤)を理解する。④多能性幹細胞である神経堤細胞から分化する細胞群、自律神経系(神経節と節後神経)、器官(副腎髄質)、外胚葉性間葉(第4の胚葉)を理解する。2層性胚盤の時期と上胚盤葉、下胚盤葉、羊膜腔、卵黄嚢を説明できる。3層性胚盤の時期と原始結節、原始窩、原始線条、外胚葉、中胚葉、内胚葉を説明できる。胚子期(胎芽期、器官形成期)の時期と胚子期に起こる形態形成、胚子期に開始する主要な器官の形成(由来)を説明できる。胚子のフォールディング(頭屈、尾屈、側屈)による形態変化を説明できる。神経管から形成される中枢神経系(脳と脊髄)を説明できる。神経堤細胞の移動と神経堤細胞から分化するシュワン細胞とメラニン色素産生細胞、体性感覚神経と神経節、自律神経系(神経節と節後神経)、器官(副腎髄質)、外胚葉性間葉を説明できる。「口腔組織・発生学」p14〜p17配布講義資料の関連項目「口腔組織・発生学」p15〜p18配布講義資料の関連項目〃〃〃C-2-2)-①個体発生と器官発生組織・発生学2
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