教授要綱 2年
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-59-口腔解剖学実習6・授業概要口腔解剖学実習では顕微鏡で観察される歯と歯周組織を含む口腔領域の微細な組織構造を視覚素材(画像)で理解するための実習を行う。最近の歯科医師国家試験およびCBTでは視覚素材(顕微鏡写真)を使った問題が年々増加しており、さらに電子顕微鏡写真まで出題されるようになってきている。このような時代背景のもと、従来の光学顕微鏡を使った口腔組織学実習を根本的に見直し、朝日大学所蔵の組織標本をデジタルアーカイブス化して活用するほか、実習教科書(カラーアトラス口腔組織発生学)に掲載されている組織写真を徹底的に学習して、多種多様な組織写真を見ることにより、口腔領域の組織構造に対する理解を深め、視覚素材を使ったCBTおよび歯科医師国家試験問題に対応できる知識を本実習で培うことを目標とする。その学習目標の達成のため、毎回の実習は実習講義と確認テスト(多肢選択問題形式)、確認テスト後の解説講義を組み合わせて行う。口腔解剖学実習の成績評価は毎回の確認テストおよび2回の実習総合試験(多肢選択問題形式および記述形式)により行う。・指定図書『カラーアトラス口腔組織発生学』(わかば出版)、『口腔組織・発生学』(医歯薬出版)、配布講義資料・成績評価実習確認テストの総合点(20%)、実習総合試験2回の合計点(80%)回 数担当者講義内容一般目標GIO)行動目標(SBOs)モデル・コア・カリキュラム第1回5月29日(水)1時限滝川高木志賀研磨標本による歯のエナメル質の組織構造の観察研磨標本による歯(乳歯を含む)のエナメル質の観察によりエナメル質の構造を理解する。また、何故、研磨標本でのみエナメル質の構造が観察できるのか理解する。さらに出生時の急激な代謝変動や加齢によってエナメル質の構造に現れる変化を理解する。歯の構造 1)エナメル質1)-1 エナメル質の基本構造   エナメル小柱とエナメル小柱鞘、無小柱エナメル質1)-2 エナメル質の成長線   エナメル小柱の横紋とサーカディアンリズム   レチウス条と周波条   新産線1)-3 成長線ではないエナメル質の構造   ハンター・シュレーゲル条、エナメル葉、エナメル叢   エナメル紡錘   歯小皮(エナメル小皮、ナスミス膜)   エナメル質の加齢変化(咬耗、磨耗、透明度の変化)E-3-1) ③ 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃第2回5月29日(水)2時限滝川高木志賀第1回実習で観察したエナメル質について確認テスト(多肢選択問題)を行い、テスト後に解説講義を行う。エナメル質の組織構造を理解する。エナメル質の基本構造、成長線、成長線ではない構造、加齢変化を説明できる。E-3-1) ③第3回6月5日(水)1時限滝川高木志賀研磨標本と脱灰標本による象牙質の組織構造の観察研磨標本、脱灰標本による歯の象牙質の観察により象牙質の構造を理解する。また、何故、研磨標本でのみエナメル質の構造が観察できるのか理解する。さらに出生時の急激な代謝変動や加齢によってエナメル質の構造に現れる変化を理解する。歯の構造 2)象牙質2)-1 象牙質の基本構造   象牙細管と管周象牙質、管間象牙質 2)-2 象牙質の成長線   エブネル線、オーエンの外形線、新産線、石灰化条2)-3 成長線ではない象牙質の構造   外套象牙質と髄周象牙質   球間網と球間象牙質(球間区の象牙質)   ホープウェル・スミス透明層(歯根部外套象牙質)   トームス顆粒層(歯根部髄周象牙質の再表層)   歯冠部外套象牙質と歯根部外套象牙質との違いE-3-1) ③ 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃

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